最中づくり一筋、名古屋 尾頭橋の和菓子処、不朽園（ふきゅうえん）

十五夜の月は最中の月？　
最中の発祥は十五夜にあり！

秋の月を愛で作物の収穫に感謝する行事、十五夜。
名古屋のお月見団子は里芋の形をしているのが特徴です。
ちょうどこの時期に里芋が収穫を迎えることもあり、十五夜のお月様は別名「芋名月」とも呼ばれます。

今年の十五夜は10/6。この日は実は満月ではなく、翌10/7が満月だそうです。
ところで最中というお菓子が生まれたきっかけが、この十五夜にあることをご存知でしょうか？

水の面に　照る月浪を　かぞふれば　今宵ぞ秋の最中なりける
みのおもに　てるつきなみを　かぞうれば　こよいぞ　あきの　もなかなりける

波の立つ池の水面にうつる月が美しく　ふと今日の暦を数えてみれば　丁度今夜が中秋の名月（最中の月）であった

こちらは平安中期に活躍した歌人、源順（みなもとのしたがう）の歌です。
この和歌が詠まれた後、宮中の月見の宴の際に、丸い餅菓子がふるまわれました。
その際、源順の和歌を知る公家たちがその餅菓子を「最中の月のようだ」と表現したことが「最中」というお菓子の由来になったとされています。

それからしばらくの間、最中はもち米から作られたせんべいのようなお菓子で、今私たちが目にする最中とはちょっと違ったお菓子だったようです。
江戸時代の中期ごろになると間に餡を挟んだ「最中饅頭」というお菓子が売られるようになり、現在に至ると言われています。

お月見団子に注目が集まりがちな十五夜のお菓子ですが、月の美しさを連想させる最中も、中秋の名月のお菓子と言っても過言ではないかもしれません。

不朽園
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